~ 第一惑星・水星 ~
太陽系の惑星の中では最も小さい。例えば赤道面での直径4,879.4 kmは、地球の38%に過ぎない。水星よりも大きな衛星は木星のガニメデと土星のタイタンで水星自体は衛星や環を伴っていない。 天球上での見かけの明るさは -0.4 等から 5.5 等まで変化する。水星は太陽に非常に近いため、日の出前と日没直後のわずかな時間しか観察できない。時期によっては望遠鏡でも見るのが難しい。これは太陽との最大離角が28.3°に過ぎないためである。 アメリカのマリナー10号(1974年 - 1975年)が初めて水星へ接近して以来、2008年まで水星に到達した探査機はなく、地表の約 40 % ないし 45 % しか地図が作られていなかった。マリナーの撮影した水星はクレーターが目立ち、月と非常によく似ていると考えられた。このため、火星や金星、外惑星と比較すると探査の優先度が低くなった。21世紀の現在においても分からないことが多い惑星である。しかしながら、2008年に探査を始めたアメリカのメッセンジャーや2013年に打ち上げ予定の日欧共同プロジェクトベピ・コロンボなど、今後の探査が期待されている惑星でもある。

歴史と神話
水星はシュメール人の時代(紀元前3000年)から知られており、Ubu-idim-gud-ud と呼ばれていた。古い記録ではバビロニア人により観測が行われており、gu-ad 又は gu-utuと名付けられていた。 古代ギリシャのヘラクレイトスは、水星と金星が地球でなく太陽の周りを回っていると考えていた。ギリシャで水星が5つの惑星の一つと認識が定着するのはプラトンの時代からのようである(『エピノミス』)。 古代ギリシア人は、水星にヘルメスを対応させた(宵の水星と明けの水星が一つの天体だと気づく以前は、明けの水星にはアポロンを充てていた)。これは、最内周惑星で運行が速いことから、他の神々の使いである俊足の神の名を冠したものである。ヘルメスは古代ローマではメルクリウスと同一視され、メルクリウスは英語のマーキュリー (Mercury = 水星) の語源である。 1639年にはイタリアのジョバンニ・ズッピが望遠鏡を使って水星を観測し、水星にも金星や月と同様に満ち欠けがあることを発見した。これによって、水星が太陽を回っていることが確実になった。